草野球チーム「東京バンバータ」の大冒険は、2007年12月の居酒屋からスタートし、翌2008年4月にチームを結成することになる。
もう16年も前になる。
そんなに続くとも思ってないし、続ける気もなかった。
その辺にある普通の草野球チームだったのだから当然だ。
そんなチームが2010年大きな転機を迎える。
何故か講談社から「たかが草野球で人生が変わる」という本を出版することになったのだ。
チーム結成をして1年くらい経った頃の2009年。
講談社の名物編集者であった故・原田隆氏から
「ビジネス本を出して欲しい」とのオファーを受けていた。
ずっと断り続け、ビジネス書から話をはぐらかす為、バンバータでの草野球の話ばかりしていた。
しかし、野球好きだった原田氏には逆にそっちが刺さりまくった(笑)
※生前の原田氏。残念ながら2016年に脳出血で死去。原田さんがいなかったらバンバータは存続してないのかも・・・
「実は昔、講談社からブレイザーが書いたシンキング・ベースボールって本出してるんだよ!その現代版を熊本さんがビジネス視点で書いてみたら?」
それなら書く!
私のモットーは昔から
「正しくよりも、おもしろく」
誰も書いたことない、
考える野球をビジネス視点で書く
単純に面白いと思い、二つ返事だった。
ちなみにドン・ブレイザーの「シンキング・ベースボール」は1979年に講談社から発行された書籍。野村克也氏が南海ホークスの監督に選手兼任で就任する条件がブレイザー氏のヘッドコーチ就任であったと言われ、野村監督のベースはブレイザー氏と創り上げたとされている。
肝心の内容はというと、
野球好きの若手経営者が趣味の「草野球」に没頭し、仲間と共に日本一を目指しながら、野球という教材でビジネス脳にも共通する考え方や組織論を唱える、ビジネス書?野球教本?自己啓発?
カテゴリーがさっぱり定まらない、ゆるーい本であった笑
そして、表紙には「Thinking Holiday Baseball」と軟式ボールの上に表記した。
「草野球」は同英訳すればいいのか?Grass Baseball? なんとなくしっくり来たのが、「Holiday Baseball」。帯は親交のある古田さんにお願いし快諾してもらった。
※本の最初に出てくるチーム写真。初期メンバーの面々
しかし、この出版が大きな転機となる。
読者でバンバータの取り組みや考え方に共感してくれた方々が手紙やメールをくれた。
そして手紙をくれた方々に返信をしてチームに誘った。
実力よりも「共鳴」で面白い組織を創り上げていくのは今も変わってない。
一緒に今のジュニアやU15を立ち上げた伊達泰三もその1人。
彼は読書感想文を下手な直筆で送ってきたw
その後47というボストンのキャップブランドを日本に持ち込み、今ではNPB球団でも採用され、今でも人気ブランドまで育て上げたビジネスマン。
またスポーツマネジメント会社を設立し、多くのプロアスリートをマネジメントしながら現在は共に東京ヴェルディのゴルフチームのGMを務める吉田隼人もその1人だし、現在U15監督を務める小原だって、面白い人がいるもんだと本がきっかけですぐに仲間になった。
他にも本がきっかけで色んな人が会いに来てくれた。
そして仲間になってくれて、内外でチームの発展をサポートしてくれた。
そして何より、この本を出版した翌年に、本がきっかけで仲間になった選手達と高松宮賜杯第55回全日本軟式野球大会を制し「3年で全国優勝する」という目標を果たす。
本を出版してなければきっと今のバンバータは存在しない。
不思議な縁を紡いできたもんだなぁ…と最近よく思う。
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